Asagaya Parkside Gallerie

喫茶室


タイトル

(寒い故郷(くに)から来た娘)

高校を出てすぐに会社(まるちょーさん=「長○屋」さん)の
神奈川にある寮に入った。同期に新潟から来たミチエちゃん、
青森のユカリちゃん、山形から来たマユミちゃんらがいた。
早速、社員販売が回ってきて、私達足並み揃えて布団やら
炊飯器やら買い揃えた。支払はその後の労働で払う(分割
給料天引き)ことにした。
ミチエちゃんだけは田舎から超ど派手な真赤な布団が
送られてきた。
冬になって寮の娘達は鍛えた防寒知恵を披露した。中でも
いきなりドライヤーを”強”にして布団の足元に突っ込んだ
先輩。そうかあドライヤーはこんなふうに使うのか。
私は毛糸の靴下履いて、明日の着る服ぜーんぶ上にのせて、
アンカさん抱いて潜って寝る位だったので。目から鱗。

ミチエちゃんは馴染めなかったのか二年ほどで実家に帰った。
ユカリちゃんはどうしたか、私が辞める時にはいたけど。
マユミちゃんは・・、当時の”まるちょーさん”も無くなったし・・。
結局今も顔を合わせているのは、ミチエちゃんからもらった
この”寒い故郷(くに)から来た娘”
一人だけ。

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