おばあちゃん聞かせて 「たけべのお話し」
ねえねえ、おばあちゃん聞かせて、子どもの頃のたけべのお話し


 夏  7月  「七夕(たなばた)」


    七夕は子どもらが楽しみにしてたお祭りだよ。
   歳が上の男の子が山で竹を切ってきて、家の前に
   くくりつけてくれてね。
    朝の間にすくっておいた里芋と稲の葉の露で
   墨を摺って、それで短冊に願いごとを書いたんだよ。
   半紙でこよりを作って短冊に結んで、笹に飾って。
   それと、キュウリとナスで馬と牛の形を作って、
   七夕団子をこしらえて縁側にお供えをしたね。
   
    そうするとね、晩になって子どもがこっそり、
   その団子を盗みに来るんだ。縁の下にもぐりこんで、
   そっと手を伸ばしてねえ。家の人も見ないふりして
   笑ってるんだよ。
    だれにも見つからずに団子を食べると元気で
   いられると言われたんだ。この日だけは盗みを
   しても怒られなかぅたんだよ。

七夕(たなばた)




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  *このお話は地元のおばあちゃん達からお聞きした内容を基に
   平成25年に発行された「たけべのお話」(タネピリカ編集)より抜粋しています。


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