おばあちゃん聞かせて 「たけべのお話し」
ねえねえ、おばあちゃん聞かせて、子どもの頃のたけべのお話し



 7月  「二つの町」


  昔、建部には川をはさんで向かい合った二つのお国が
 あったって話したろ。
  それでね、、そこには二つの町がつくられていたんだよ。
  備前の国では、今のお役所にあたるご家老の住む陣屋(じんや)が
 中田に設けられ、前には侍屋敷が並んでた。
  その周辺には生活を支えるためのお店や職人が多く住む町屋が
 あったんだ。
  明治になってからは陣屋、侍屋敷、町屋のほとんどがなくなったけど、
 上之町には昔の面影のあるお家が残っているんだよ。

  もう一つ美作の国ではね、福渡にやはり今の、税関にあたる
 番所が置かれ、陸と川との出入りを警備したんだ。
  北でとれた物を南に運び、南でつくられた物を北に
 持っていったんだよ。
  そのため、福渡の川岸はそこを乗り降りする人や荷でごったがえし、
 盛況な宿場町になってたんだ。
  明治になって鉄道の駅ができてからは、福渡の町の中心は
 駅通りに移っていったけど、国道沿いには大きな商店が今もあるよ。

2つの町




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 *このお話は地元のおばあちゃん達からお聞きした内容を基に
 平成25年に発行された「たけべのお話」(タネピリカ編集)より抜粋しています。


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