おばあちゃん聞かせて 「たけべのお話し」
ねえねえ、おばあちゃん聞かせて、子どもの頃のたけべのお話し





 2022年1月  「お餅(もち)」

 お正月の思いでは元旦の朝じゃなあ、台所で湯気がいっぱい上がっとって。
 おばあさんとお母さんが大きな釜の前で、行ったり来たりして。
 それから「○○ちゃん、おもちが湯だったよー、あんたなんぼう食べるん?」って聞かれるんじゃ。
 「3つ」と答えると「おえん、おえん、歳の数だけ食べんと、6つ入れたからな」
 お椀にお餅が2つ入って、上にホーレンソウとカマボコがのって 「それを2回お替わりしたら、お年玉を上げるけんな」と言われて、いっしょうけんめい食べたわ。 もうお腹がパンパンじゃった。
 お年玉は50円じゃった、おばあさんと併せて100円。それで何を買おうかなと考えてたら「ほんなら、それを貯金しといてあげるわ」って。

 それからもうずっと後になって、上の学校に通うので下宿することになった時、お母さんから通帳を渡された。
 「あんたのお年玉やお祝いでもろうたのを貯めておいた分じゃ」
 10万円になっとった。  


おもち



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