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粟倉人形

赤枝郁郎先生(故)の郷土玩具めぐり〜inめだかの学校(そのV) 2018年2月発信

引き続き、赤枝郁郎先生ワールド。今回はめだかの学校「おもちゃの宿」に日本の郷土玩具と共に収められている 「粟倉(あわくら)人形」を特集。

赤枝郁郎先生の郷土玩具  赤枝 郁郎(いくろう) 大正12年東京に生まれる
 4歳の時、父親の実家、岡山に戻り岡山大学医学専門部を卒業。
 広島通信病院勤務。応召、終戦。原爆治療に従事。
 岡山大学より医学博士号を受ける。山陽放送の
 全国初のラジオドクター、週刊誌、雑誌、新聞にエッセーを掲載。
 その後、仏門に帰依し草庵にて泥仏を制作。
 チャリティ寄金で教育賞を制定。NHK深夜番「心のエッセイ」で特選。
 心臓病センター榊原病院顧問。
 平成22年没。87歳。


赤枝郁郎先生の郷土玩具 西粟倉村は岡山県の最北東端に位置する人口1400人ほどの村。面積の95%が山林だという。 その西粟倉村に住まわれていたのが粟倉人形の制作者、故・福島幸子(さちこ)さん。
 福島さんは大正7年に生まれ、90歳を超えるまで大おばあちゃんとして、 ご健在だったそうで、当時、趣味で作っていた人形を 民芸品として販売されていたのを赤枝先生が魅かれ、 特別にお願いして作られたのがこの35体の風俗人形。
 館内に掲示されている当時の新聞コピーには、 福島さんの創作にまつわる話が載っている。背景となっているのは江戸の時代から昭和の初期まで、 登場人物にそれぞれ名前が付いており、それらの人が集まり、 一つの村を形成。どの作品にもほのぼのとしたした人の営みが表現されている。
 さまざまに語り掛ける人形のいざなう”日本の原風景”、みなさんも訪れてみませんか? 


〜あわくら人形が語る里山閑話〜

「春遠からじ」
「なあ文左衛門さん、ことしは春がえれえおそいのう」
「そうじゃて、笙庵先生、いつまでも雪が残っとりますけんのう」
「でもわたしゃあ、下の土手で雪柳が一つだけ芽を吹いとるの見ましたよ」
「ほぉ、人は寒い寒いと言ってるが草木はしっかり春を感じとるんじゃのう」
「ほんに、そうじゃ・・・ハッハハ」
粟倉人形


「上天気」
「モー助や、見てみいええ天気じゃて、田おこしには最適じゃ」
「モーモーモー(わしも早う田んぼに出てクワをひっぱりてえ)」
「おうおう、そうか、働きもんじゃけんのう、モー助は」
「モモモモー(おらあ、この村一番の力持ちじゃ、でえにも負けんで)」
「そうか、頼りにしとるけんのう」
「モー(まかしとけー)」
粟倉人形


 「しぐれ」おう、一雨来そうじゃのう 
「里山の春」まずは髪をとかして・・・ 
「猿回し」さあ、おめえの出番じゃ

粟倉人形 粟倉人形 粟倉人形


「爺様の布団」
「爺ちゃん、また昔話、してくれえ」
「おお、そうか、じゃあ、昔むかしのことじゃ・・・」
「うん、」
「あるところに、えれえ、お坊さんがおって・・・」
「・・・うん、・・・」
「そこへある人がやって来て・・・おっ、もう寝たか」
粟倉人形


 「村医者笙庵」薬代は大根二本でええ
   「草の道」あーちょっくら、小便がしとうなった・・・
 「田舎日和」そろそろキノコがなってるじゃろう

粟倉人形 粟倉人形 粟倉人形

 *資料提供 岡山市環境学習センター「めだかの学校」
   (取材・写真 三宅 優 三宅美恵子)


<岡山市環境学習センター「めだかの学校」>

粟倉人形 ◎「平成三十年 十二支と干支の戌(犬)」展示中
 (休館日)毎週火曜日・年末年始
 (開館時間)午前9時30分〜午後5時
 <入館料>
 (大人)300円(子ども中学生まで)100円 (小学生以下は無料)
<アクセス>
 JR津山線福渡駅下車、徒歩25分
 車/国道53号大田交差点から5分    
  めだかの学校の地図を見る(←クリック)
 <住所>
 〒709-3145 岡山市北区建部町建部上609
  岡山市環境学習センター めだかの学校
 п@086ー722ー1231 FAX 086−722-3100


  

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